【選手向け】③炭水化物の摂り方|いつ・何を選ぶ?

こんにちは、ともひろです。ここまでで炭水化物のはたらきとしくみを見てきました。最後は、いつ・何を選ぶかという実践編です。栄養の土台(タンパク質シリーズ)とあわせて、炭水化物の摂り方を整えていきましょう。

前回のおさらい
前回は、炭水化物が体の中で「ブドウ糖に分解→エネルギーに」変わること、余ったぶんは「グリコーゲン」として肝臓と筋肉に貯金されること、そしてタンクが空に近づくとバテること、を見てきました。

しくみが分かったところで、いよいよ実践編です。「タンクを空にしない」と分かっても、では毎日の食事で、いつ・何を・どう選べばいいのか。今日は、すぐにマネできる形に落とし込んでいきましょう。むずかしい計算は要りません。考え方はとてもシンプルです。

この記事で分かること

  • 1日の中での、炭水化物の摂り方
  • 運動の前後で意識したいタイミング
  • 選び方の3つのコツ
  • やりがちな失敗と、その防ぎ方

まず「量」より「切らさない」。1日の摂り方

炭水化物の摂り方で、いちばん大事なのは「たくさん食べること」ではなく、「1日を通して切らさないこと」です。タンクが小さいことを思い出してください。一度にドカ食いするより、こまめに満たすほうが効率がよいのでしたね。ただし、量がどうでもよいという意味ではありません。練習量が多い日は、1日の総量も増やす必要があります。

基本は、朝・昼・夜の3食で、主食をしっかり。昼は給食や弁当で主食が入っているか確認します。そして、練習がある日は、ここに補食をもう一回足す。練習前後におにぎりやバナナを入れて、タンクを満たしておくイメージです。練習量が多い日ほど、ガソリンもたくさん使うので、補食の出番が増えます。これだけで、1日を通して力が続きやすくなります。

運動の「前」と「後」がカギ

炭水化物が、いちばん役に立つタイミング。それが、運動の前と後です。

練習の前には、主食や補食でタンクを満たしておく。すると、最後まで力が続きやすくなります。そして練習の後には、使って減ったぶんを補給する。これが、次の練習や翌日のコンディションにつながります。「前にためて、後で満たす」——タンパク質シリーズで学んだ「練習後の補食」と、根っこは同じ。炭水化物(エネルギー)とタンパク質(材料)を、練習後にいっしょに摂るのは選択肢の一つです。おにぎりと牛乳が合う人もいれば、別のタンパク源のほうが続けやすい人もいます。

選び方の3つのコツ

「何を選べばいいか」も、シンプルな3つのコツで大丈夫です。

1つめは、いろいろ食べること。ご飯・パン・めん・いもと、かたよらず組み合わせると、自然とバランスがとれます。2つめは、果物やいもも活かすこと。手軽なエネルギー源なので、補食やおやつに便利です。3つめは、土台はあくまで主食ということ。お菓子も炭水化物ですが、主食の代わりにはなりません。お菓子は“ときどきのお楽しみ”にして、ふだんの土台はご飯やパンで。完璧を目指さず、「いろいろな主食をしっかり」で十分です。

現場でよく見る、もったいない一例

最後に、炭水化物まわりで“もったいない”と感じる失敗を3つ紹介します。どれも、知っているだけで減らしやすくなります。

1つめは「抜きすぎ」。体重が気になって主食を減らしたり、朝を抜いたりして、ガス欠でいい練習ができないパターン。成長期のみなさんには、いちばんもったいない失敗です。2つめは「お菓子だけ」。小腹がすいてお菓子で済ませ、主食が足りていないパターン。エネルギーは入っても、体づくりの土台にはなりにくいです。3つめは「夜だけドカ食い」。朝昼が少なく、夜にまとめて食べる形ですが、タンクは入りきらず、せっかくの食事が活きません。逆に言えば、「こまめに・主食を土台に・抜きすぎない」。この3つを意識すると、炭水化物まわりの失敗を減らしやすくなります。

あなたの「炭水化物の摂り方」を教えてください

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に聞かせてください。

  • 練習前後に、主食や補食を摂れていますか?
  • 朝・昼・夜で、主食が少なめになりがちな食事はありますか?
  • 「これを食べると練習がはかどる」という主食はありますか?

みなさんの工夫が、他の選手にとっても、私にとっても学びになります。コメント欄で気軽に教えてください。

炭水化物は、知っているだけでは使いにくい栄養です。大事なのは、練習の前後で「自分なら何を選ぶか」を決めておくこと。ここで一度、練習バッグに入れる候補を作ってみましょう。

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今日見るところ

根拠と注意を開く

このミニUIの数字は、食事や準備を考えるための目安です。体格、成長段階、体調、練習量、食物アレルギー、服薬、競技ルールによって合う形は変わります。気になることがある場合は、保護者、指導者、医師、管理栄養士に相談してください。

※このツールの数字は、食事を考えるための目安です。体格、成長段階、体調、練習量、食物アレルギーによって合う形は変わります。気になることがある場合は、保護者、指導者、医師、管理栄養士に相談してください。

こんな場面で、こうしてみる

考え方が分かったら、あとは生活のどこに置くか。みなさんの一日にありがちな場面で、具体的に当てはめてみます。

  • 朝練の前:起きてすぐは食べにくいもの。バナナ半分・一口おにぎり・エネルギーゼリーで“ひと口”だけでも入れておく
  • 学校の休み時間:昼まで間があく日は、休み時間におにぎり・ロールパン・バナナなどを。菓子パンは緊急用くらいに考えます
  • 長い練習・二部練の合間:1時間を超えるような中〜高強度の長めの練習では、途中でエネルギーゼリーや、糖分の入ったスポーツドリンクで“継ぎ足し”
  • 練習が終わったら:二部練・翌朝練・レース間など次まで時間が短い日は、できるだけ早めに。「おにぎり+牛乳」は選択肢の一つです
  • 遠征・移動中:コンビニのおにぎり・バナナ・カステラで切らさない

この記事で分かったこと

  • 炭水化物は「1日を通して切らさない」が大事。練習量が多い日は総量も増やす
  • 3食しっかり+練習日は補食でもう一回足す
  • 運動の「前にためて、後で満たす」が大切
  • 選び方は「いろいろ・果物やいもも・土台は主食」
  • 「抜きすぎ・お菓子だけ・夜だけドカ食い」がやりがち3つ

炭水化物の摂り方は、特別なことではなく「毎食の主食を切らさない」ことが土台です。この土台があってこそ、大会前の準備や当日の補給も活きてきます。次は、いよいよ大会本番に向けた実践編へ進みましょう。

📍 このシリーズの現在地
炭水化物シリーズ(選手向け):L1 基礎 → L2 しくみ → L3 摂り方の実践【この記事】 → 大会シリーズ(大会前・大会当日)へ続きます。

次回予告
炭水化物の土台が分かったら、いよいよ大会編です。「大会前の食べ方」では、ここで学んだエネルギーの考え方を使って、本番に向けてどう食べるかを見ていきます。土台ができたあなたなら、きっとすんなり腑に落ちるはずです。

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参考文献・免責事項

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」炭水化物の項
・文部科学省「日本食品標準成分表」
・国際スポーツ栄養学会(ISSN)ポジションスタンド/運動と炭水化物の摂取に関する知見
・本記事の実践例の根拠:スポーツ栄養学の専門教科書(炭水化物・糖質の章)より、エネルギーの貯蔵(p.2〜3)、運動前後の補給と補給量(p.7〜9)、運動後の回復=糖質+たんぱく質とタイミング(p.10〜12)

摂り方の目安は一般的な情報であり、体格・体調・種目・練習量によって適した量は異なります。診断や治療を目的としたものではありません。体重管理について不安がある時は、自己判断で食事を減らさず、保護者・指導者や医師にご相談ください。

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