【選手向け】タンパク質とは何か①|競泳選手のための「強くなる栄養」の基礎

栄養補給

こんにちは、ともひろです。

競泳選手のみなさんなら、「タンパク質をしっかり摂ろう」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。でも、こう思ったことはありませんか。「そもそも、なんでタンパク質が大事なの?」

正直にお話しすると、私自身も最初は「なんとなく体にいいもの」くらいの理解でした。けれど、調べていくと、タンパク質は競泳のパフォーマンスと深くつながっていることが分かってきました。今日は、その「なぜ大事なのか」を、一緒に基本から整理していきたいと思います。

この記事で分かること

  • タンパク質とは何か、その正体
  • なぜ選手にとって特に大切なのか(練習との関係)
  • 選手は1日にどれくらい必要か
  • 1日の中でどう摂ればいいか

タンパク質とは何か、まず正体を知る

栄養学の教科書では、タンパク質はこう説明されています。

タンパク質とは、アミノ酸が多数結合してできた高分子化合物であり、体の構造と機能を担う主要な栄養素である

かみ砕くと、タンパク質はアミノ酸という小さな部品が鎖のようにつながってできたものです。この部品は全部で20種類あり、そのうち9種類は体の中でつくることができません。つまり、食事から摂るしかないのです。

分類種類特徴
必須アミノ酸9種類体内でつくれない → 食事から摂る
非必須アミノ酸11種類体内でつくれる

そして、このタンパク質からつくられているのが、筋肉・骨・腱・血液・髪・爪など、体のほとんどの組織です。競泳選手にとって特に注目したいのは、もちろん筋肉です。

なぜ選手にとって特に大切なのか

ここが、今日いちばん知ってほしい部分です。みなさんが毎日ハードに泳ぐと、実は筋肉の繊維は細かく壊れます。これは悪いことではなく、トレーニングでは当たり前に起きる現象です。問題は、その後です。壊れた筋肉を修復する材料が必要になります。その材料こそが、タンパク質なのです。

ここで大切なのは、修復のときに、前より少し強く作り直されるという点です。この積み重ねが、泳ぎを支える体づくりにつながっていきます。逆に言うと、どれだけ良い練習をしても、修復の材料であるタンパク質が足りなければ、体は思うように応えてくれません。練習と栄養は、いつもセットなのです。

選手は1日にどれくらい必要?

ここで気になるのが「じゃあ、どれくらい摂ればいいの?」という疑問だと思います。実は、ハードに練習する選手は、運動をしない一般の人より多くのタンパク質を必要とすることが、各種のスポーツ栄養のガイドラインで示されています。

数字だけだとピンとこないので、具体的に計算してみましょう。

計算例:体重60kgの選手の場合
60kg × 1.5g = 1日あたり約 90g のタンパク質

「90g」と言われても多く感じるかもしれません。でも、1日のなかで上手に分ければ、十分に届く量です。次のツールに、自分の体重と練習量を入れて、自分の目安を見てみましょう。

🧮 自分ごとで見る

自分のタンパク質チェック

体重と練習量を入れると、1日と1回の目安、身近な食品での量が見られます。数字はきっちり合わせるためではなく、食べ方を考えるための目安です。

1日のタンパク質の目安

練習量が多い・長い日ほど、上限寄りが目安です。

1回の目安(食事や補食に分けて)

1日の目安を回数で分けると、1回あたりの目安が見えます。

1回ぶん(約g)を食品でいうと
🥚 卵
🥛 牛乳(杯)
🫘 納豆(P)
🍗 肉・魚
今日の一手
朝に卵か牛乳をひとつ足す(朝はいちばん抜けやすい時間)
練習後は「主食+タンパク源」をセットで(おにぎり+牛乳など)
夜だけに寄せず、昼や補食にも散らす
根拠(教科書)を開く

競技者の1日の目安=体重×1.2〜2.0g、1回の目安=体重×0.25〜0.4g、長めの練習が多い日は上限寄り。スポーツ栄養のガイドラインや専門教科書をもとにした目安です。

この数字は、食事を考えるための目安です。体格・成長段階・体調・練習量・食物アレルギー・服薬・競技ルールで合う形は変わります。気になることがある時は、保護者・指導者・医師・管理栄養士に相談してください。

1日の中で、どう摂ればいい?

ここで一つ、覚えておいてほしいポイントがあります。それは、一度にまとめてではなく、1日の中で分けて摂るということです。近年の研究では、タンパク質を1食にドカッと摂るより、3食+補食に分けて摂るほうが、体づくりの材料として使われやすい可能性が示されています。体が一度に使える量には限りがあるからです。

特に見落とされやすいのが、練習後の補食と朝食です。練習でクタクタになった後や、忙しい朝こそ、おにぎり一つ+牛乳のような手軽なものでいいので、タンパク質を足す習慣をつけると、1日の合計が大きく変わります。

つまり、タンパク質“だけ”では強くならない

ここまで量の話をしてきましたが、最後にいちばん大事な注意点を一つ。タンパク質は「材料」ですが、それを活かすには「エネルギー」が必要です。エネルギー源である炭水化物(ご飯・パンなど)が足りないと、体は燃料不足を補うために、せっかく摂ったタンパク質まで分解してエネルギーに回してしまいます。これでは、修復の材料が減ってしまってもったいないですよね。

だから、順番はこうです。まず主食でエネルギーを満たし、その上でタンパク質の量を意識する。プロテインや肉だけを増やして主食を減らすのは、むしろ逆効果になりかねません。タンパク質も炭水化物も、両方そろってはじめて、体はちゃんと応えてくれます。

覚えておきたいバランス
炭水化物(エネルギー)でガス欠を防ぎ、タンパク質(材料)で修復する。どちらか一方ではなく、セットで。上のツールで出した量も、「主食をしっかり食べたうえでの目安」として見てください。

そのうえで、最後に正直なことを言うと——同じ量を食べても、伸び方は一人ひとり違います。種目や練習量、体質でちょうどいい形は変わるので、ツールの数字を出発点に、自分の体調や泳ぎで微調整していくのがいちばんです。みなさんが見つけた「これがよかった」も、ぜひ聞かせてください。

あなたはどうですか?

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、ぜひ聞かせてほしいことがあります。

  • 練習後、何か食べる習慣はありますか?
  • 朝食でタンパク質を意識できていますか?
  • もし工夫していることがあれば、どんな方法か教えてください

みなさんの「現場の工夫」が、他の選手にとっても、そして私にとっても、大きな学びになります。コメント欄で気軽に聞かせてください。

今日からできる、タンパク質の置き方

必要な量が見えてきたら、あとは1日のどこに置くか。むずかしい計算は抜きにして、まずはこの3つから。どれか1つでも、今日からできます。

  • 1食に「手のひら1枚分」のタンパク源(肉・魚・卵・大豆・乳)を。1食20gくらいが、体づくりのスイッチが入りやすい目安です
  • 朝・昼・夜に散らす。とくに朝は不足しがちなので、卵1個や牛乳1杯でもプラスを
  • 練習の後は、できるだけ早めにタンパク源を一品。おにぎりなどの主食と一緒だと、なお力になります

この記事で分かったこと

  • タンパク質はアミノ酸からできていて、9種類は食事から摂る必要がある
  • 練習で壊れた筋肉を「修復する材料」がタンパク質
  • 選手は一般の人より多く必要(体重1kgあたり約1.4〜1.7g)。自分の体重で計算できる
  • 1食にまとめず、3食+補食に分けるのがポイント
  • 特に「練習後の補食」と「朝食」が差をつくる
  • タンパク質“だけ”では強くならない。主食(エネルギー)とのバランスが土台

タンパク質は、ただの栄養ではなく、みなさんの泳ぎを支える体をつくる土台です。良い練習を、ちゃんと結果につなげるために。今日の食事から、少し意識してみてください。

次回予告
今日は「タンパク質とは何か」「なぜ選手に大切か」を見てきました。次回は、もう一歩踏み込んで——「食べたタンパク質は、体の中でどうやって筋肉に変わるのか?」という、体の中のしくみを一緒に見ていきます。「なぜ練習後がいいのか」も、もっと納得できるはずです。

参考文献・免責事項

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」たんぱく質の項
・国際スポーツ栄養学会(ISSN)ポジションスタンド/タンパク質と運動
・スポーツ栄養に関する研究レビュー/タンパク質摂取の分配に関する知見

この情報は、一般的な栄養に関する知識に基づくものです。医学的な診断や治療を目的としたものではありません。食物アレルギーや健康上の心配がある場合は、医師や管理栄養士にご相談ください。

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