こんにちは、ともひろです。ここまで炭水化物のはたらきとしくみを見てきました。最後は、毎日の食卓での選び方です。栄養の土台(タンパク質シリーズ)とあわせて、炭水化物の選び方を整えていきましょう。
前回のおさらい
前回は、炭水化物が体の中で「ブドウ糖に分解→エネルギーに」変わること、余ったぶんは「グリコーゲン」として肝臓と筋肉に貯金されること、朝ごはんが大切な理由、そしてタンクが空に近づくとバテること、を見てきました。
しくみが分かったところで、いよいよ実践編です。「タンクを空にしない」と分かっても、では毎日の食卓で、いつ・何を・どう出せばいいのか。今日は、すぐに取り入れられる形に落とし込んでいきましょう。むずかしい計算は要りません。考え方はとてもシンプルです。
この記事で分かること
- 1日の中での、炭水化物の出し方
- 運動の前後で意識したいタイミング
- 選び方の3つのコツ
- ご家庭でやりがちな失敗と、その防ぎ方
炭水化物はまず「量」より「切らさない」。1日の出し方
炭水化物でいちばん大事なのは「たくさん食べさせること」ではなく、「1日を通して切らさないこと」です。タンクが小さいことを思い出してください。一度にどっさりより、こまめに満たすほうが効率がよいのでしたね。ただし、量がどうでもよいという意味ではありません。練習量が多い日は、1日の総量も増やす必要があります。

基本は、朝・昼・夜の3食で、主食をしっかり。昼は給食や弁当で主食が入っているか確認します。そして、練習がある日は、ここに補食をもう一回足す。練習前後におにぎりやバナナを持たせて、タンクを満たしておくイメージです。練習量が多い日ほど、エネルギーもたくさん使うので、補食の出番が増えます。とくに、見落とされがちな朝の主食は、1日のスタートのガソリン。ここをしっかり、が合言葉です。
運動の「前」と「後」がカギ
炭水化物が、いちばん役に立つタイミング。それが、運動の前と後です。

練習の前には、主食や補食でタンクを満たしておく。すると、お子さんは最後まで力が続きやすくなります。そして練習の後には、使って減ったぶんを補給する。これが、次の練習や翌日のコンディションにつながります。「前にためて、後で満たす」——タンパク質シリーズでお話しした「練習後の補食」と、根っこは同じです。炭水化物(エネルギー)とタンパク質(材料)を、練習後にいっしょに摂るのは選択肢の一つ。おにぎりと牛乳、乳製品が合わない場合は別のタンパク源、というように、お子さんに合う形で用意してあげてください。
選び方の3つのコツ
「何を出せばいいか」も、シンプルな3つのコツで大丈夫です。

1つめは、いろいろ出すこと。ご飯・パン・めん・いもと、かたよらず組み合わせると、自然とバランスがとれます。2つめは、果物やいもも活かすこと。手軽なエネルギー源なので、補食やおやつに便利です。3つめは、土台はあくまで主食ということ。お菓子も炭水化物ですが、主食の代わりにはなりません。お菓子は“ときどきのお楽しみ”にして、ふだんの土台はご飯やパンで。完璧な献立を目指さず、「いろいろな主食をしっかり」で十分です。
ご家庭でやりがちな、もったいない一例
最後に、炭水化物まわりで“もったいない”と感じる失敗を3つ紹介します。どれも、知っているだけで減らしやすくなります。

1つめは「抜きすぎ」。体重を気にして主食を減らしたり、忙しくて朝を抜いたりして、お子さんがガス欠になってしまうパターン。成長期には、いちばんもったいない失敗です。2つめは「お菓子だけ」。小腹がすいてお菓子で済ませ、主食が足りていないパターン。エネルギーは入っても、体づくりの土台にはなりにくいです。3つめは「夜だけドカ食い」。朝昼が軽く、夜にまとめて食べる形ですが、タンクは入りきらず、せっかくの食事が活きません。逆に言えば、「こまめに・主食を土台に・抜きすぎない」。この3つを意識すると、炭水化物まわりの失敗を減らしやすくなります。もし体重のことでご心配がある時は、自己判断で減らす前に、医師や管理栄養士にご相談ください。
ご家庭の「主食の工夫」を教えてください
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、ぜひ聞かせてください。
- 練習前後に、お子さんは主食や補食を摂れていますか?
- 朝・昼・夜で、主食が少なめになりがちな食事はありますか?
- お子さんが好きで、よく食べてくれる主食はありますか?
ご家庭の工夫が、他の保護者の方にとっても、私にとっても学びになります。コメント欄で気軽に教えてください。
毎日の食事で大切なのは、すごい献立を作ることではなく、必要な場面に主食や補食を置いておくことです。ご家庭でよくある場面を選んで、用意しやすい形を見てみましょう。
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このミニUIの数字は、食事や準備を考えるための目安です。体格、成長段階、体調、練習量、食物アレルギー、服薬、競技ルールによって合う形は変わります。気になることがある場合は、保護者、指導者、医師、管理栄養士に相談してください。
※このツールの数字は、食事を考えるための目安です。体格、成長段階、体調、練習量、食物アレルギーによって合う形は変わります。気になることがある場合は、保護者、指導者、医師、管理栄養士に相談してください。
場面別・用意のしかた
考え方が分かったら、あとはご家庭のどこで支えるか。お子さんの一日にありがちな場面で、具体的に当てはめてみます。
- 朝練の日:起きてすぐ食べられないお子さんには、バナナ・一口おにぎり・飲むゼリーを用意。完食より“ひと口”でOK
- 学校へ送り出す時:昼まで空腹が続く日は、休み時間用におにぎり・ロールパン・バナナなどを。菓子パンは緊急用くらいに考えます
- 1時間を超えるような長めの練習の日:練習バッグにエネルギーゼリーや一口サイズの補食を。途中で“継ぎ足し”できます
- 練習後:次まで時間が短い日は、すぐ渡せるよう主食+タンパク源をセットで。おにぎり+牛乳、またはお子さんに合う組み合わせで
- 遠征・試合:常温で持ち運べる補食(おにぎり・バナナ・カステラ)を何種類か
この記事で分かったこと
- 炭水化物は「1日を通して切らさない」が大事。練習量が多い日は総量も増やす
- 3食しっかり+練習日は補食でもう一回。とくに朝を大切に
- 運動の「前にためて、後で満たす」が大切
- 選び方は「いろいろ・果物やいもも・土台は主食」
- 「抜きすぎ・お菓子だけ・夜だけドカ食い」がやりがち3つ
炭水化物の出し方は、特別なことではなく「毎食の主食を切らさない」ことが土台です。この土台があってこそ、大会前の準備や当日のサポートも活きてきます。次は、いよいよ大会本番に向けた実践編へ進みましょう。
📍 このシリーズの現在地
炭水化物シリーズ(保護者向け):L1 基礎 → L2 しくみ → L3 選び方の実践【この記事】 → 大会シリーズ(前日・当日のサポート)へ続きます。
次回予告
炭水化物の土台が分かったら、いよいよ大会編です。「大会前の食事サポート」では、ここで学んだエネルギーの考え方を使って、本番に向けて家でどう支えるかを見ていきます。土台ができたあなたなら、きっとすんなり腑に落ちるはずです。
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参考文献・免責事項
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」炭水化物の項
・文部科学省「日本食品標準成分表」
・農林水産省 食育・栄養に関する資料
・本記事の実践例の根拠:スポーツ栄養学の専門教科書(炭水化物・糖質の章)より、エネルギーの貯蔵(p.2〜3)、運動前後の補給と補給量(p.7〜9)、運動後の回復=糖質+たんぱく質とタイミング(p.10〜12)
出し方の目安は一般的な情報であり、お子さんの体格・体調・種目・練習量によって適した量は異なります。診断や治療を目的としたものではありません。体重管理についてご心配がある時は、自己判断で食事を減らさず、医師や管理栄養士にご相談ください。

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