【選手向け】夏の暑さ対策と水分補給|熱中症を防いで練習をやり切る

栄養補給

こんにちは、ともひろです。今日は「暑さ対策」がテーマ。夏の練習や大会で、最後まで力を出しきるための土台になる話です。

はじめに
プールの中にいると忘れがちですが、夏は水の中でもたくさん汗をかいています。しかも暑い時期は、体温を下げることに体力を使うので、いつもより早くバテやすい。だからこそ、飲み方と休み方をちょっと変えるだけで、後半の泳ぎが変わります。むずかしい話は抜きに、今日からできる形で見ていきましょう。

この記事で分かること

  • 「暑さ指数(WBGT)」の見方と、運動をひかえる目安
  • 「暑さに慣れる(暑熱順化)」を切らさないコツ
  • のどが渇く前の、こまめな水分と塩分のとり方
  • 見逃したくない、熱中症の体のサイン

まず知りたい、暑さ対策の物差し「暑さ指数(WBGT)」

暑さ対策で最初に知ってほしいのが、「暑さ指数(WBGT)」です。これは気温だけでなく、湿度や日ざしまで合わせて「どれくらい危険な暑さか」を表した数字。じつは、気温がそこまで高くなくても、湿度が高いと体から熱が逃げにくく、危険度は上がります。だから「気温」ではなく「暑さ指数」で判断するのが基本です。

日本スポーツ協会の指針では、暑さ指数が31以上のときは「運動は原則中止」とされています。とくに成長期のみなさんは、無理をしないことがいちばんの対策。環境省の「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」は、その日の危険度を前もって知らせてくれます。練習前に一度チェックする習慣をつけておくと安心です。

「暑さに慣れる」暑熱順化を、切らさない

じつは、暑さ対策で見落としがちなのが「暑さに慣れているか」です。体は、暑い中で少しずつ運動を続けることで、汗をかくのが上手になり、暑さに強くなっていきます。これを暑熱順化(しょねつじゅんか)と呼びます。慣れるまでには、だいたい数日〜2週間ほど。慣れてくると、同じ暑さでも体温が上がりにくく、心臓の負担も減って、つらさを感じにくくなります。

気をつけたいのは、暑さから離れると数日で慣れが薄れ始めること。梅雨明けの急に暑くなる時期や、しばらく休んで久しぶりに練習するときは、まだ体が慣れていません。実際、スポーツ中の熱中症は「暑くなり始め」に多いと報告されています。そんな時期は、いきなり飛ばさず、量やペースを落として体を慣らしていきましょう。

のどが渇く前に。夏の水分のとり方

暑さ対策の中心は、やっぱり水分です。ポイントは「のどが渇く前に、こまめに」。のどの渇きを感じたときには、もう少し足りていないサインです。

目安は、1回200〜250mlを、1時間に2〜4回に分けて。少し冷たい(5〜15℃くらい)と飲みやすく、体を内側から冷やすのにも役立ちます。そして運動の前後で体重をはかると、自分がどれくらい汗をかいたかが分かります。減った分がほぼ失った水分。減りを、運動前の体重の2%以内におさえるのが、飲めているかどうかのひとつの目安です(体重50kgなら1kg=約1リットルまで)。

そして忘れたくないのが塩分(ナトリウム)。汗と一緒に塩分も出ていくので、水だけをたくさん飲むと、かえって体の中がうすまってしまうことがあります。とくに30℃を超えるような日や、たっぷり汗をかいたときは、ナトリウムを多めに含んだスポーツドリンクを選びましょう。大量に汗をかいた後は、経口補水液(OS-1など)とエネルギーゼリーを組み合わせると、水分・塩分・糖質をまとめて補えます。

よくある誤解「水をたくさん飲めば大丈夫」

「暑い日は、とにかく水をがぶ飲み」——これは、じつは落とし穴。汗で塩分が抜けているのに水だけを大量に入れると、体の塩分がさらにうすまって、頭痛や気持ち悪さ、こむら返り(足がつる)につながることがあります。夏の練習後、スポーツドリンクや経口補水液を「おいしい」と感じるのは、体が塩分を欲しがっているサイン。水分と塩分は、セットで考えると覚えておきましょう。

体のサインに気づく(熱中症の入り口)

暑さ対策でいちばん大事なのは、無理をしないこと。次のようなサインが出たら、すぐに運動をやめて、涼しい場所へ

  • めまい・立ちくらみ、ふらつき
  • 頭痛、気持ち悪さ、吐き気
  • 足や手がつる(こむら返り)
  • 体が異様に熱い、汗が止まる、ぼんやりする

やること:涼しい場所で横になる → 首・わきの下・足の付け根を冷やす → 水分と塩分をとる。返事がおかしい・自分で水が飲めない・意識がはっきりしないときは、ためらわず大人を呼び、医療機関へ。夏は「がまん」より「はやめの中断」が正解です。

あなたは、練習前に「暑さ」をチェックしていますか?

最後に、聞かせてください。

  • 練習の前に、その日の暑さ指数やアラートを見ていますか?
  • のどが渇く前に、こまめに飲めていますか?
  • 水だけでなく、塩分も一緒にとれていますか?

ひとつでも「あやしいかも」があれば、そこが伸びしろ。コメント欄で、自分の夏の工夫も教えてください。

ここまでの水分のとり方を、自分の数字に置きかえてみましょう。練習前後の体重と、練習中に飲んだ量を入れると、あなたの発汗量と「次に飲む目安」が分かります。

汗チェッカー|自分の発汗量を見てみる

練習前後の体重と、練習中に飲んだ量から、あなたの発汗量と「次にどれくらい飲めばいいか」を出します。

推定発汗量
体重の減り(2%以内が目標)
次回の目安(15分ごとに)
練習後に戻したい量

目安です。気温・湿度・種目で変わります。体重の減りは運動前の2%以内が目標。気分が悪いときは無理をせず休み、保護者・指導者や医療機関に相談してください。

今日からできる、小さな一歩

  • 練習前に、暑さ指数(WBGT)とアラートをチェックする
  • ボトルは2本。1本は水、1本はスポーツドリンク(塩分用)に
  • のどが渇く前に、1時間で2〜4回に分けて飲む
  • 暑い時期の始めは、いきなり飛ばさない。体を慣らす期間をつくる

この記事で分かったこと

  • 暑さは「気温」より「暑さ指数(WBGT)」で判断。31以上は運動を原則中止
  • 体は数日〜2週間で暑さに慣れる。暑くなり始めは特に無理をしない
  • 水分は「のどが渇く前に、こまめに」。体重の減りは2%以内が目安
  • 水だけでなく塩分も。大量発汗の後は経口補水液+ゼリーが便利
  • サインが出たら、がまんせず中断・冷却・水分と塩分。おかしいときは受診

暑さ対策は、特別な道具より「知っておくこと」と「早めの一手」。今日の練習から、ひとつだけでも試してみてください。

📍 夏の実践シリーズ
この記事は「夏を乗りきる」実践編。暑さ対策【この記事】 → 大会当日の水分・補給 → 連戦の回復、とつながっていきます。大会本番の食べ方は、大会シリーズもあわせてどうぞ。

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参考文献・免責事項

・環境省「熱中症予防情報サイト」暑さ指数(WBGT)・熱中症警戒アラート(https://www.wbgt.env.go.jp/
・日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」熱中症予防運動指針
・本記事の実践例の根拠:スポーツ栄養・生理学の専門教科書(水分補給・パフォーマンスの章)より、発汗量の測り方(運動前後の体重差)、暑熱環境と脱水がパフォーマンスに与える影響、暑い日のナトリウム補給(30℃超は80〜120mg/100mlを目安)、経口補水液・ハイポトニック飲料の使い分け

この情報は、一般的な健康・栄養に関する知識に基づくものです。診断や治療を目的としたものではありません。体調・体格・その日の環境によって必要な対応は異なります。気分が悪いときや体調に不安があるときは、がまんせず運動を中止し、保護者・指導者や医療機関にご相談ください。

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